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[2007年3月28日更新]
| 岡安 雅人 氏 |
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木造住宅設計所 萌芽舎一級建築士事務所 主宰 |
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2005年にスイス、2006年にドイツを訪問し、現地のバウビオロギーについて先進事例を見学するなど、知識や人脈を深めてきた岡安雅人氏。そのような中で日本の伝統的建築の優れた思想、居住性能を再確認し、健康住宅をテーマに、伝統工法で建てる住宅を時代に即した形で提供しようと日々設計に取り組んでいます。 |
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バウビオロギーについては研究者によって色々な定義がなされていますが、1960年代のドイツの考え方が今日まで発展してきています。日本語ではバウエコロジーが建築生態学、バウビオロギーは建築生物学です。その後、ヨーロッパ、アメリカへ広がり、日本には10数年前に紹介されたばかりで、まだあまり普及はしていません。私の場合、バウビオロギーの定義とイコールではないかもしれませんが、自然素材や健康住宅というテーマでずっと住宅設計をしてきました。2年前にスイスヘ視察旅行に行き、現地の協会の会長にお会いしたり、スイスの事情を見てきて、いままで取り組んできたことと共通点が多かったので、そこからキーワードとして使い始めたのです。
バウビオロギーは人や生物を中心に物事を見ていくところが特徴的です。よくいわれるのが、「建築は第3の皮膚である」という定義。1つ目の皮膚は本来の皮膚で、2つ目が衣服。たとえば水に濡れたままでは風邪を引くし、濡れたままの服は着ないでしょう?それと考え方は同じで、第3の皮膚である建物も乾燥した状態で使いましょうということなのです。これは実は日本では昔から実践されてきた部分で、バウビオロギーで建てた住宅と日本の健康住宅と比較して、改めてここが違う部分というのは少ないのです。逆に最近では研究書などで、『日本の江戸時代のリサイクル社会のあり方はバウビオロギーそのものだ』、と書いているヨーロッパの研究者もいるくらいです。
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バウビオロギーの25の指針で日本になかったのは電磁波、電気関係の問題に対する考え方です。電磁波の健康への影響は実際のところどうなのかは現在も見解が分かれていますが、バウビオロギーでは極力避けるようにいっています。とくに寝室を1日の3分の1を過ごす場所として居間と同様に重視していて、寝室の頭が向くほうの壁には電気の配線を通しません。また向こうではテレビなど電磁波を出す家具の配置も検討しますし、金属類もベッドには使いません。スプリングは木で編んだような構造のものを使い、ネジも木でつくる徹底振りです。日本では利便性や使いやすさ、コストなどを優先しますが、そこが違いますね。私も帰国してから、寝室の配線には十分配慮するようになりました。
寝室以外では室内でマイナスイオンを作るという発想が新鮮でした。ただ、マイナスイオンといっても、方法は壁や床、天井に無垢材を使うという特別なことではないのです。基本的にバウビオロギーでは木をふんだんに使います。すると数値化はできないのですが、ダウジングで計るといい結果が出るのです。私も実際に試してみましたが、滝の近くと同様の反応が現れました。もちろん心理的な影響も働くと思いますが、面白い結果ではありますね。
バウビオロギーは色彩についても考えなさいといっています。たとえば白は、日本では一般に室内を広く感じさせる色と思われていますが、白は外観に使うと確かに大きく見えますが室内に使うと圧迫感が出て、逆に狭く感じるのです。広く感じるのは実は床が畳、壁は京壁、天井は杉板張りなどで構成された和の室内。そんな色彩なのです。日本では昔からやってきたことで、表現する言葉がなかっただけなのでしょうね。
バウビオロギーは欧米よりむしろ日本のほうが普及しやすいかも知れません。というのは、ドイツにしてもスイスにしてもバウビオロギーに関心があり実践している住宅は全体のわずか4〜5%。決して浸透しているわけではないのです。かえって日本のほうが、エコロジーのようにブームになれば一気に広がる可能性がある。一方で、言葉が一人歩きすると、変な方向に広がる可能性もありますけれどね。
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