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ローハスインタビュー

Vol.20 [2007年3月23日更新]
小町 晴久 氏 プロフィール
小町建築アトリエ 代表
東京近郊の山の木を使って家づくりを経験するなど、木の家をつくり続けてきた建築家の小町晴久氏。木の家の魅力や、逆に家を建てるときの様々な問題についてお話いただきました。長年こだわりのある住宅建築に携わった小町氏ならではの発想法も興味深いものがあります。
小町 晴久 氏
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小町氏が木の家を多く設計する理由

私は一番安心して使える建材は、昔から使われている本物の木だと思っています。それが木造住宅を多く手がける理由です。
例えば、私が使っている無垢の木材は防腐剤、防虫剤などの薬剤を使っていないので、燃やそうと思えば普通の燃料として使え、ダイオキシンもほとんど出ません。二酸化炭素は出ますが、それは木が生きている時に吸い込んだものですから、プラスマイナスゼロです。このように木を生き物として見て適材適所に使うということをすれば、人間の体にもいいのではないかと思っています。

そして、木は建築材料になってからも環境に影響されます。生き物ですから温度、湿度の条件とか、その環境に合うものを選んでやる必要があります。私は木を扱うことに熟練していて木にあった工法や造作をする職人さん達と仕事をするようにしています。ですからあまり目先の新しいことを入れるのではなく、木造建築の歴史に沿ったやり方で建築と関わってきました。
木造住宅
代では、耐震強度を確保するために補助金物を使うことが主流になってきましたが、私は木と金物とは馴染みがあまりいいとは思っていません。建築基準法では金物使用が定められていますが、金物に頼りすぎるような作り方は少し疑問に思います。たしかに阪神淡路大震災の時に被害にあった建築を見ると、在来の木造建築が多かったようです。しかし、だからといって在来の木造建築がダメといういのではなく、木造の弱点をきちんと検証してつくればいいのではないでしょうか。


家造りへのこだわりと難しさ

小町 晴久 氏
設計を長い間やってきて、経験上これはいいものができたなと思えるのは、建て主さんがこちらにお任せしてくれたときですね。基本設計時の話し合いで建て主さんが予算や設計条件をほぼ出してくれて、後は任せるというような頼み方をされたほうが、こちらもプロとして力を発揮できるように思います。

反対に過去のトラブル例を考えると、良い家ができたのに設計監理の報酬を値切るためにクレームを出してきたり、サービスでやった作業が、建て主さんに十分伝わらなくて、逆に問題が起きたということもありました。私の建築仲間も同じようなことを言っています。また、良かれと思っても建て主さんの望まない提案を押しつけるのは、かえって問題が起きやすいようですね。木へのこだわりも、もちろん予算の話も、事前にしっかりと話合いをする必要があります。


小町氏の設計 自分の物差しを持ち、それを基準に

建築家が図面を描く時は、例えば1/100のスケールでプランを考えます。いわば原寸の最終的な形を、図面の段階で1/100に落として考える。スケール感が日常とは違うわけですから、自分の中に原寸の物差しだけではなくて1/100の物差し、あるいは大げさに言うと1/100万とか1/1,000万といった物差しを別に持つことが重要だと思います。

地球環境を考える時などに、例えば太陽と地球の距離は、普通に考えれば想像し難いほど離れています。そこで私は1/1,000万のスケールで置き換えてみます。そうすると太陽までが15km。なんとなく、自分の家から吉祥寺あたりとか、五日市あたりとか、具体的な距離感で感じることができます。この物差しでは、太陽の直径は139.2mくらいになります。太陽までの距離は1億5,000万kmくらいで、地球の直径は確か12,756km。この数字が感覚的に理解できますか、と聞かれれば全くわからない。しかし1/1,000万のスケールであれば、地球は直径が127cmくらいの球ですから、一回り4mの紐をぐるっと回した大きさになります。

私は20年くらい前から地球と太陽の関係をこのような物差しにより具体的に想像するようにしています。極端な例でしたが、大小異なるいくつかの物差しが自分の身体の中に入っていれば、距離感や大きさが自分なりに把握できるようになります。地球の大きさがどのくらいで、月がどの辺にあってとか、人工衛星がどの辺飛んでいるかとか、そういうことも具体的に理解しやすいのです。
このような空間の認識は、住宅の設計でパッシブ・ソーラー・システムを考える時などに大変役立ちます。


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Contents
ローハスインタビュー
Vol.23:[2007/10/12]
山本 義春 氏
東京大学大学院教育学研究科
身体教育学講座教授 (教育生理学分野担当)
Vol.22:[2007/3/29]
片山 右京 氏
Team UKYO 代表 大阪産業大学客員教授
Vol.21:[2007/3/28]
岡安 雅人 氏
木造住宅設計所 萌芽舎一級建築士事務所 主宰
Vol.20:[2007/3/23]
小町 晴久 氏
小町建築アトリエ 代表
Vol.19:[2007/3/16]
中川 重年 氏
京都学園大学バイオ環境学部 教授
全国雑木林会議世話人
Vol.18:[2007/2/28]
鉾井 修一 氏
京都大学大学院
工学研究科 建築学専攻 教授
Vol.17:[2007/2/23]
甲斐 徹郎 氏
株式会社チームネット代表取締役
エコロジー住宅市民学校 主催
Vol.16:[2007/1/31]
涌井 雅之 氏
桐蔭横浜大学 特任教授
Vol.15:[2006/11/30]
米森 公彦 氏
一級建築士事務所
米森建築設計事務所 主宰
Vol.14:[2006/9/22]
安月 浩 氏、絹山 実 氏
ガス暖炉メーカー
株式会社ダンロックス
Vol.13:[2006/8/25]
丸谷 博男 氏
建築家
一級建築士事務所 (株)エーアンドエーセントラル 代表
Vol.12:[2006/6/29]
長房 直 氏、加瀬澤 文芳 氏、中安 博司 氏
住まいづくりフォーラム
Vol.11:[2006/6/23]
佐々木 龍郎 氏
建築家
株式会社佐々木設計事務所 代表取締役
Vol.10:[2006/3/30]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.09:[2006/3/17]
堀尾 正靭 氏
東京農工大学大学院
共生科学技術研究部 教授
Vol.08:[2006/2/13]
望月 久美子氏
株式会社東急住生活研究所 所長
住文化研究協議会 企画委員会 委員長
Vol.07:[2006/1/27]
金子 成彦 氏
東京大学大学院
工学系研究科機械工学専攻 教授
Vol.06:[2005/12/19]
坊垣 和明 氏
独立行政法人建築研究所
首席研究員
Vol.05:[2005/11/28]
駒城 素子 氏
お茶の水女子大学
生活科学部人間・環境科学科 教授
Vol.04:[2005/10/5]
山本 良一 氏
東京大学生産技術研究所 サステナブル材料・国際研究センター 教授
Vol.03:[2005/9/9]
秋元 孝之 氏
関東学院大学工学部建築学科 教授
Vol.02:[2005/8/19]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.01:[2005/7/29]
小畑 晴治 氏
独立行政法人都市再生機構
都市住宅技術研究所 所長

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