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[2007年3月16日更新]
| 中川 重年 氏 |
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京都学園大学バイオ環境学部 教授
全国雑木林会議世話人
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バイオマスエネルギーは世界で約37億立方メートルが1年間に消費されています。発展途上国の平均だと木が燃料として使われる比率は80%くらい、先進国が20%、世界の平均が55%、アフリカだけだと95%が燃料です。つまり、アフリカの人が木を見る場合はエネルギー源として見るわけです。彼らにしてみれば基本的には木は薪炭なのです。日本はその値が0.8%。やはりこの話はきちんと捉えないといけないと思っています。
先進国の平均20%には、例えば木を燃料とした地域暖房も含まれています。もちろんストーブなどトラディショナルな使い方もある。でも20%の中には、モダンな使い方という社会的な仕組みがきちんとあります。一方、日本にはトラディショナルな使い方以外はあまりなく、実用化までされたものはほとんどありません。モダンにする前に、木をサーマル利用するという仕組みがなくなってしまった。サーマル利用というと煙くさいとか、一酸化炭素中毒とか、すぐにそういう話になってしまいます。
それから、例えば途上国と先進国の子供達が集まって森を育てる話をしたとしましょう。そうすると、森を育てたその後の利用方法というのは、日本は誰も考えないですね。日本人はすぐに野生動物とか、地球環境保全とかの話に移ってしまいます。でもアフリカの子供たちは、自分の弟妹の食事のためにお湯をわかす、つまり森は燃料なのです。自分の生活と密着しているのがたき火の話なのです。 森の木は何に使う? 家を作る。これが日本人の大半です。神奈川でも95%建築用に木が生産されている。でも世界ではそうではない。そのことを考えるべきです。バームクーヘンづくりや遊びの中から学べることは、世界は燃料として森を考えているということであり、モダンな社会システムを通して環境にも配慮したエネルギー利用の形態があるということです。
世界遺産の話は比較的新しく始まった話ですが、バイオマスの熱利用の話はいま着実に進んでいます。里山林の生態的な管理のノウハウも、この20年で相当蓄積されてきました。オープンスペースをつくれば自然と草が生えてくる、とか。それと草刈りをしても、その結果出た山盛りの雑草は放ったらかしで誰も気にしない、とか。ここが問題です。そのような雑草の山を処理するのは、植物を育てたり、環境をつくるような生物屋さんの仕事ではありません、産廃業者ですよ、となってしまうのです。それではいけない。それならどうするか。運搬して燃焼させてエネルギーをえる社会的システムとなると、林業分野でもないし、建築分野でもないし、そこら辺が今は弱いと感じています。
あとは単位発熱量あたりの価格ということを考えると、化石燃料のほうが安くていいということもありますが、化石燃料を使用していった結果、全面的ではないにしろ地球温暖化につながります。それを地域の活動の中でも少しずつカバーし、抑制していくいろいろな手だてを打っていかないといけないですね。
僕は森林の専門家という立場にいるので、その中で多少なりとも効率的で効果があるバイオマス、木というものを地域の中で熱エネルギーにするということを考えたい。それとバイオマスを利用するということは、同時に森を定期的に管理していくことです。そうすると、そこにすむ生物の種類は当然多様化していきます。このバイオマスの受け入れと利用の体制が整った時には、相当に生物は多様化し、自然が回復してくると、僕は思います。
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| ■中川さんが目指すロハス社会とは、本物に触れる暮らし |
楽器はメンタル面での健康に関わってくると思います。面白いことに楽器の多くは木で作られています。
また、「木の手ざわり」といいながら、結局木材に直接さわっているのではなくて、実際にはニスの上から触っていたり、というような寂しい話もあります。みんなが森に入り、自然素材としての木材をよく自分の手で触り、感触を得ることが大事です。そうしないと森とかロハスとかを、イメージだけで捉えてしまいます。そういう本物に触れる体験する生活をしていくのが、ロハスな暮しの目指すところではないでしょうか。
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| バイオマスのトラディショナル利用とサーマル利用、地域暖房、本物に触れる体験 |
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バイオマスにもいろいろな種類がありますが、その中でエネルギー源としての利用が進みにくいものが木材などの木質バイオマスだそうです。一方で、木質バイオマスが活用できれば、森をもつ地域の活性化にもつながるといいます。
中川氏はバームクーヘンやアルプホルンのように、「本物に触れる楽しさ」を通して木質バイオマスの活用方法を身近なものとして広め、さらに地域規模でのサーマル利用まで考えていらっしゃいます。私たちも「本物に触れる楽しさ」を忘れないようにしつつ、ホロニックエネルギーシステムをしっかりと考えて行きたいと思います。
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