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[2007年3月16日更新]
| 中川 重年 氏 |
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京都学園大学バイオ環境学部 教授
全国雑木林会議世話人
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「全国雑木林会議」の世話人として、森林の調査や広葉樹の整備指針・保全活動などに力を入れている中川氏。間伐材を利用してバームクーヘンやピザを焼いたり、アルプホルンを作るなど、ユニークな活動も行っています。ここでは、世界遺産から環境、エネルギーなどについてうかがいました。 |
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1990年代には里山の保全活動をずいぶんしていましたが、今は二つに絞っています。一つは「全国雑木林会議」で、今年10月に15回目の会議が島根県大田市で行われます。大田市には石見銀山があり、6月に世界遺産に登録される予定になっています。実際の実行委員会は現地の人たちがやっていますが、僕はその中でいろいろなアドバイスをしたり、計画を練っていく手伝いをしています。
「全国雑木林会議」は1992年に、僕と他に2名で始めました。一人は2年前に亡くなった名古屋の水野一男氏で、彼は木を通じたライフスタイル提案を仕事にした方です。それから元鳥取大農学部長の岸本潤先生です。
今年、大田市で「全国雑木林会議」を行うのは、神奈川で世界遺産と植生管理の問題に僕が関わっていることもありました。石見銀山は、中世・中近世から世界の四分の一を算出したという世界レベルの銀山で、町も栄えていましたが、明治になって閉山してしまいました。今から10年以上前からでしょうか、それが世界遺産に登録するということになりましたが、雑木林会議に関連して現地を見せてもらったら、閉山後に鉱山全体に森林が回復してきていたのです。昔は薪炭用に木が伐られ裸山でした。それから100年、人がいなくなって森林化してきている。
今後観光客が来た時、世界遺産が手入れのされてない森林や竹林ではまずいので、現地の仲間がそこを整備して、観光客に見てもらえる森林というものを考えていますが、その整備手法などについて検討を加えようと「全国雑木林会議」を行うことになりました。
当地は銀山遺跡だけではなく、大森藩のかつての代官所や古い木造の家並みがある町(大森町)があるのですが、武家屋敷と平民の家とが交互にあります。普通は武家と民家ゾーンは別れているのですが、ここは一緒になっている。そこを観光地へとシフトしていこうとしています。
もうひとつは竹林を整備する場合、竹を切ったあと、普通はそこに積み重ねて置いていくだけという問題の解決を図ります。そこで僕はバイオマスのサーマル(熱)利用を考えています。プラントを造ってお湯をわかし、そのお湯を用いて町の暖房に使う。日本では珍しい話ですが、ヨーロッパではドイツやスイス、北欧にもそのような事例がかなりあります。いわゆる地域暖房です。新しい森林利用と世界遺産の保全とをむすびつけて提案してみようと思っています。
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大田市での活動には三つのメリットがあります。一つは、森林の利用と景観の改善、二つは街並みの保全、三つ目が地球温暖化の抑制です。
地域暖房は小さなエリアの話だから大したことではないけれど、地球温暖化の抑制に少しは貢献するかなと思っています。竹や木を燃やすというのは、カーボンニュートラル、つまり炭素は燃やすことによってCO2を出すけれど、それはまた竹林なり森林を育てるために役立つから、トータルとしてCO2は増えない、という考え方ですね。
それと僕が続けてきたバームクーヘンづくりとかレクレーションは、いわゆる遊びで一般の人を引きつけていくことができます。すでにバームクーヘンづくりは定着しているように、一般の人が森に入るイントロ部分の仕組みは十分つくれたのではないかと思います。アルプホルンも同じ頃から始めましたが、これも23都道府県で、もう800本くらい制作の手伝いをしました。
木をサーマル利用するというのは量の話です。量をいかに処理するかということ。一方竹トンボをつくるというのは、これは木の質や技術の話です。延長に間伐材を使ったアルプホルンもあるわけです。さらに楽器だからメンタルな部分もある。自然の中で吹いて気持ちがいいとか。
そういうことをふまえて、貴重な世界遺産を守るために何をやるかというところにきています。
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