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[2007年2月28日更新]
| 鉾井 修一 氏 |
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京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻 教授 建築環境計画学講座 生活空間環境制御学分野 |
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鉾井先生は、住宅の中の温度、湿度、空気(気流)の解析や、人体の温熱生理と快適性、空調システムとエネルギー消費の関係、など、ロハス的にも非常に興味深い研究を行っておられます。さらに湿気制御など日頃の研究をベースに、日本内外の仏像や古墳の保存にも尽力されるなど幅広く活躍されています。
今回は住まい空間の快適性を熱・湿気・空気といった視点で語っていただきました。 |
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私は主に住まいの温度、湿度などの室内環境や、エネルギー消費の研究をしています。その一方で、高松塚古墳の壁画保存の対策委員として古墳内空間環境の研究もしています。ニュースでも報道されていますからご存知かもしれませんが、高松塚古墳の中には貴重な壁画があるのですが、そこは非常に狭い石室で、湿度が高く、壁面にカビが生えてしまったり、化学反応でぼろぼろになってしまったりという問題があるのです。
住まいと古墳では空間的には全然違うように見えますが空間や壁面の温度、湿度、それと気流という観点からすると共通点が多いのですよ。
人に快適にしようとするのと、壁画をきれいに保存するのは、技術的には割と似ています。違っているのは、古墳の場合はその価値の判断が難しいということでしょう。例えば壁画は石室の壁面にあることが重要なのか、あるいは壁画を移設しても、絵として物理的に存在していることが重要なのか、そのような判断は単なる技術的な保存だけでは解決できません。
タイでは仏像の保存を手掛けていますが、意外な問題もあります。仏像に藻が生えてきて黒くなったり、季節によって緑っぽくなったりしますが、保存のためそれを除去しようとすると現地の方々が必ずしも賛成しない。むしろ反対される方もいます。それなりの歴史を経て自然の影響を受けた仏像が人々から信仰されてきており、そのような経緯を無視することに違和感を覚えるのでしょうか。
技術者としては、できるだけ今のままで藻や苔が繁茂しないようにするにはどうすればよいか、その技術を考えなくてはいけないと思っています。
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住まいも古墳も、温熱環境と呼ばれるもので代表的なものは温度、湿度、気流です。これらがある一定の範囲内にあると、人であれば不快感がない、快適だな、と感じるし、建物であればカビが生えないし、腐食も起こりにくい。 最適な温熱環境といえば私は温度が重要だと思いますが、その次に何とかしたい問題だと思っているのは湿度ですね。人を中心に考えた場合、空気の湿度が高すぎても、低すぎても良くない。
私は花粉症持ちでして、これは全く個人の感想で医学的には間違っているのかも知れませんが、乾燥と花粉症は関係があるのではないかと思っています。もちろん乾燥が花粉症の原因ではなくて、乾燥は症状がひどくなる一つの要素ではないかと。人間は粘液で粘膜上の汚れなどを洗い流していますが、乾燥してくると流れづらくなり花粉が粘膜上に付着したままになるのではないでしょうか。
それともう一つは、住宅の中に花粉が入った時、室内が乾燥していると気流とともに花粉が舞い上がり吸引してしまうのです。このように部屋の乾燥と花粉症は関係あると私は思います。そういう実体験の意味で言うと、冬の暖房に関しては温度の次に水蒸気や湿度というのをなんとかしたいと考えています。
それと、やはり気流感も制御が必要だと思います。年をとるにつれて、エアコンの風がしんどいなあと私自身が感じます。わが家の家族は妻と両親で高齢のためか、目が乾くとか皮膚が荒れるからとかで、エアコンの風が直接当たるのをすごく嫌うのです。それに加えて気流分布がまずいと温度分布をつくる要因にもなります。
エアコンのような対流式暖房では、我が家のような断熱の悪い住宅では、室内の温度をある程度制御できても、まだまだ空間温度に高いところと低いところの分布ができてしまいます。例えば足元の寒さは依然として解決できていない。温度分布を和らげるためにホットカーペットを使ったり、暖かいスリッパを履いたりしますよね。そういう意味では、建物の断熱、気密が第一ですが、今のエアコンにはもっと頑張って欲しいですね。
昔に比べると徐々に改善されているようですが、まだ温度分布はできる傾向にあります。この点に関しては輻射式の床暖房の方がずっと勝っていますね。
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