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[2007年2月23日更新]
| 甲斐 徹郎 氏 |
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株式会社チームネット代表取締役
エコロジー住宅市民学校 主催
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昨年「自分のためのエコロジー」という本を出版した甲斐徹郎さん。これは環境との身近な関係を生活に活かすことで、ひとりひとりの生活を通して、結果的に環境が良くなるという考え。ロハスも「エゴなエコ」と言われますが、具体的なお話はなかなか目にすることがありません。自分のためのエコロジーを提案する甲斐さんが具体的にどのように考え、実践しているのかを伺いました。 |
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| ■自分の周りの環境や状況をより良くしていくライフスタイルとは |
かつての日本社会では、人はとかく他人に依存した生活をしていました。例えば70年に一度行われるという飛騨高山の茅葺き屋根の葺き替えは、村人総出で行います。こうした作業によってコミュニティがつくられ、お互いの生活を支え合ってきました。一方、現代のように住宅の性能が良くなり、スイッチ一つで何でも手に入るという状況となってしまえば、他人に依存しなくても生活ができます。お金さえ払えば何でも手に入るという生活が当たり前になればなるほど、他人との関係から遠ざかります。
お金を払って何でも得ていくというのは、ある意味で受け身の状態です。人に対して協力を仰いだり、こちらから何かをしてやるという関係が希薄であるといえます。こうした状態が続けば、例えば介護が必要になった場合、いたれり尽くせりの施設には入れても、好きな所に自由に行けなくなるということも考えられます。
理想を言いますと、僕自身が要介護者となっても、いろいろな人と付き合って、何らかの形で関係性を持っていたいですね。例えば行きたい所がある時、僕は友人に電話して、「面白い所があるのだけど、案内するから一緒に出かけない?」と誘います。友人は僕の車椅子を押してくれ、僕のプラン通りの所に行ってくれる。買い物したり、人に会ったり、いろいろ交友関係を広げて、彼も一日を満喫してくれる。つまり、僕は友人に「連れていってもらった」のではなく、僕が友人を「連れて案内した」ということなのです。ここで言いたいことは、自分のライフスタイルは自分だけで完結するものではなく、他人との関係を活かすことが重要で、それによって住まいや環境がより充実することは明らかです。自分の家だけ立派にするのではなく、周辺の環境を含めて向上していくことで、よりレベルの高い環境となるのです。そのためには、今からこうした関係を重視した生活戦略を持つことが重要です。
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私の生活戦略の一つは、都心にいながら自然に囲まれて暮らすライフスタイルを実現することでした。そのためにはどうするか。まず、コミュニティを活かした住まいが持てないかと考えたのです。東京の世田谷で自然に囲まれて暮らすには、莫大な費用がかかります。そこで、同じような考えを持った人を探し、その人たちと一緒に住宅をつくれないかということでした。私の呼びかけに、12家族が集まりました。
普通の集合住宅は完成したものを購入し入居しますが、私たちはまず、入居者の建設組合をつくり、その組合が発注主となって集合住宅をつくることにしました。これが、コーポラティブ住宅です。集合住宅を一戸建てのように注文建築で建てるのです。
そして、運良く世田谷区のある大きな敷地に出会いました。そこは屋敷林と家屋があり、樹齢百年のケヤキが5本も残っている、まさに森のような環境のよい場所です。敷地面積は240坪に12世帯という計画です。ふつうに戸建住宅をつくれば1世帯あたり20坪という計算になりますが、集合住宅として集合化することで環境的にも空間的にも大きなメリットがあります。
このように私たちは、自分がよりよい環境とライフスタイルを手に入れるために、他人と協力するという方法を取ったのです。「自分のためのエコロジー」というのは、自分が意図的に外の環境に働きかけて、自分にとって身体感覚的な気持ちよさを手に入れようということなのです。
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