HOME ローハスってなに? ローハスインタビュー ローハス対談 地球環境を考える MakeLohasブログ 用語集
ローハスインタビュー

Vol.15 [2006年11月30日更新]
米森 公彦 氏 プロフィール
一級建築士事務所
米森建築設計事務所 主宰
数年前に自宅を新築し、これまでの経験と自身の追求する住宅を形にしたという建築家の米森公彦氏。現在では一般の住宅だけでなく、実験住宅のリノベーションも手掛けています。住宅にも更なる快適性が求められる現代において、ストイックに住まう米森氏の言葉は、家に対して人はどうあるべきか考えさせられます。
米森 公彦 氏
 PDF形式でご覧になりたい方はこちら


米森氏のお仕事について

僕の仕事は個人住宅の設計がメインです。二世帯住宅を扱うことが比較的多いでしょうか。最近は、都心で土地を買って家を建てるというのは限られた方で、どちらかというと親の家を建て替え、一緒に暮らす二世帯住宅が多いようです。

それと、狭小住宅も増えています。先月竣工した建物も、土地が広さ6.3坪、間口3.4mという狭さです。地盤改良の杭を打つための重機を入れるのにも一苦労でした。この家では、お母さんと高校生の娘さんの二人暮らしで、お店を経営していたご主人が亡くなられ、建て替えとなったのです。どうしても家族の思い出の土地に住み続けたいというご希望があったお宅です。これが今まで僕が手掛けた最小の家ですね。


米森氏が住まいを設計する上で重要と考えることは?

米森 公彦 氏
いくつかありますので順にお話しましょう。
まず、その土地の特性をいかに活かせるかということです。都市では、敷地の特徴を引き出さないと広がりのある住宅は難しいでしょう。それから、常に対比を考えるようにしています。光と影、明るい所と暗い所、狭い所と広い所、低い所と高い所、そういうメリハリ(対比)をつけることで空間が生きてくると思います。

二つめは、家の中と外が一体となる空間づくり。縁側やルーフバルコニー、テラスなどを設ける事で空間に連続性や広がりが出ます。隣の家に庭があれば、その緑を借景したり、公園や川があればそれを積極的に取り入れることも大切です。

三つめは、とにかくシンプルで美しいものをつくること。これは私がまだ駆け出しの頃、学生時代のゼミの先生に教えていただいたことです。その先生は、「美しいものには必ず理由がある。君たちは建物を見て美しいと感じたらそれで終わってはけない。なぜ美しいかを考えなさい。」と言われました。ちなみにその先生にもう一つ教わったことがあって、今でもその通りだと思うことがあります。都市に残された、みんなが平等に持てる自然とは何だと思いますか?それは「空」です。いくら小さな敷地でも、その上空には空があります。その空を建物の中に取り込むことも大切だと言われました。特に周りが隣接している家を設計するときには上からの光や空を取り入れるようにしています。

四つめは階段です。住宅の中で人が縦に移動できるのは階段しかありません。でも移動だけの機能しかなければ、場所として死んでしまいます。それをいかに空間として考えるかが大切です。具体的には、リビングの中に階段を取り入れたり、また階段室を利用して光を室内に取り入れたり、段板しかない階段とすれば、非常に軽やかな感じに見え光も風も通します。

五つ目は、窓です。隣の家の壁しか見えない所に南側という理由だけで窓が取り付けてある家や、一日中カーテンが閉められていたりする家があります。それでは窓を付ける意味がないですよね。必ずしも南側に付ける必要はなくて、窓はそこから空が見えるとか、陽や風が入る位置があればそこに窓を付けるほうが有効です。コートハウスのような中庭を取り入れれば、それに対して窓も大きくとれるようになります。

六つ目は、照明計画。人工衛星から撮った夜の地球の写真を見ると、真っ暗な土地は意外と少なく、大抵の国で灯りが見えます。特に日本はみごとに日本列島の形が光で浮かび上がるほどです。明らかに、日本は光で溢れているのです。過度の灯りで、しかも均一に明るくしてあるのが日本の照明だとわかります。ですから私はこれもメリハリを与えるべきだと思っています。暗い所があるから明るい所がより明るく感じられる。どうしても必要ならフロアスタンドのように移動できるものを持ってくればいいと思います。


住まいのエネルギーで思うこと

建て主と設計の打ち合わせをしていると「コストを下げられて、省エネもできる住まいの機器は何ですか?」と聞かれることがあります。そのたびに思うのですが燃料電池のような先進的な省エネ機器は、メーカーを含め、もっと積極的にアピールしてもいいのではないかと感じています。地球環境にも貢献できることをもっとアピールすべきです。全然知らないという方がまだまだいらっしゃいますから、説明不足だと言えるのではないでしょうか。

それと個人的にはこれからのエネルギーは、やはりバイオマスの利用が重要ではないかと思います。テレビで見た話で恐縮ですが、北欧では人糞までもエネルギーとして利用しているのには驚きました。しかも、それを導入することで利用者に税金を安くするなどのメリットがある仕組みをつくり上げていたのが素晴らしいと思います。機器だけでなく、仕組みも作っていけると良いですよね。


| 1 2 3 |

こちらからこのページをPDF形式でご覧になれます。 PDFファイルを表示
PDFファイルをご覧いただくためにはAdobeReaderが必要です。
AdobeReaderをお持ちでない方は、こちらからダウンロード(無料)してご利用ください。

▲ページトップへ

Contents
ローハスインタビュー
Vol.23:[2007/10/12]
山本 義春 氏
東京大学大学院教育学研究科
身体教育学講座教授 (教育生理学分野担当)
Vol.22:[2007/3/29]
片山 右京 氏
Team UKYO 代表 大阪産業大学客員教授
Vol.21:[2007/3/28]
岡安 雅人 氏
木造住宅設計所 萌芽舎一級建築士事務所 主宰
Vol.20:[2007/3/23]
小町 晴久 氏
小町建築アトリエ 代表
Vol.19:[2007/3/16]
中川 重年 氏
京都学園大学バイオ環境学部 教授
全国雑木林会議世話人
Vol.18:[2007/2/28]
鉾井 修一 氏
京都大学大学院
工学研究科 建築学専攻 教授
Vol.17:[2007/2/23]
甲斐 徹郎 氏
株式会社チームネット代表取締役
エコロジー住宅市民学校 主催
Vol.16:[2007/1/31]
涌井 雅之 氏
桐蔭横浜大学 特任教授
Vol.15:[2006/11/30]
米森 公彦 氏
一級建築士事務所
米森建築設計事務所 主宰
Vol.14:[2006/9/22]
安月 浩 氏、絹山 実 氏
ガス暖炉メーカー
株式会社ダンロックス
Vol.13:[2006/8/25]
丸谷 博男 氏
建築家
一級建築士事務所 (株)エーアンドエーセントラル 代表
Vol.12:[2006/6/29]
長房 直 氏、加瀬澤 文芳 氏、中安 博司 氏
住まいづくりフォーラム
Vol.11:[2006/6/23]
佐々木 龍郎 氏
建築家
株式会社佐々木設計事務所 代表取締役
Vol.10:[2006/3/30]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.09:[2006/3/17]
堀尾 正靭 氏
東京農工大学大学院
共生科学技術研究部 教授
Vol.08:[2006/2/13]
望月 久美子氏
株式会社東急住生活研究所 所長
住文化研究協議会 企画委員会 委員長
Vol.07:[2006/1/27]
金子 成彦 氏
東京大学大学院
工学系研究科機械工学専攻 教授
Vol.06:[2005/12/19]
坊垣 和明 氏
独立行政法人建築研究所
首席研究員
Vol.05:[2005/11/28]
駒城 素子 氏
お茶の水女子大学
生活科学部人間・環境科学科 教授
Vol.04:[2005/10/5]
山本 良一 氏
東京大学生産技術研究所 サステナブル材料・国際研究センター 教授
Vol.03:[2005/9/9]
秋元 孝之 氏
関東学院大学工学部建築学科 教授
Vol.02:[2005/8/19]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.01:[2005/7/29]
小畑 晴治 氏
独立行政法人都市再生機構
都市住宅技術研究所 所長

私たちについて著作権&リンクについて個人情報のお取り扱いについてサイトマップお問い合わせ
Copyright 2008 TOKYO GAS Co., Ltd. URBAN LIFE RESEARCH INSTITUTE All rights reserved.