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[2006年6月23日更新]
| 佐々木 龍郎 氏 |
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建築家
株式会社佐々木設計事務所 代表取締役 |
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エリアとしての余裕を考える一つの例として紹介したいのが、「3つのエリアスケール」によるエコタウンのプラニングという考え方です。
これは3つのエリアスケールとして、Sサイズ(個別敷地単位)、Mサイズ(街区単位)、Lサイズ(地域単位)を設定しそれぞれの単位において「住宅の余裕」を考えるという試みです。
Sサイズ(個別敷地単位):
最大容積率100%を設定しているのですが、建物を3階建てにすることにより庭などの外部空間を広く確保した地面の多い暮らしを実現します。
Mサイズ(街区単位):
実はこのサイズの視点が今の日本の住宅地計画では完全に抜け落ちてしまっています。そこで街区の中央に空き地を設け、そこに防災設備、リサイクル設備などの共用機能を設けます。
約80m2程度の空き地を8つの住宅でシェアリングすると考えれば一つの住宅あたり10m2≒3坪(約車1台分)を提供することになるのですが、それらを真ん中にまとめて取ることで、すべての住宅は2面以上道路・空地に面し、十分な採光・通風を享受することができます。
江戸時代にはやはり会所地という名前で、ゴミなどを捨てる共用の中庭空間がありました。衛生面等の問題もあって今では姿を消したのですが、都市居住において中庭空間は大切であり、個別に持てなければ、街区単位でシェアリングすれば良い、という発想が大事なのです。
Lサイズ(地域単位):
風通しの良いMサイズの街区が、学校という地域の中庭とも言える施設を核に集まり、地域全体が車道とは別に準備された歩行者ネットワークで結ばれるようなイメージです。
S、M、Lそれぞれのサイズでゆとりを生み出し、それが連携して地域のゆとりになる、そんな住宅地を実現したいと思っています。
このエコタウンプラニングの考え方は分散型エネルギーシステム、例えば東京ガスさんが未来のエネルギーシステムとして提案するホロニック・エネルギーシステムの考え方とマッチしやすいと思います。人のつながりや風通しを基本とし、さらに環境エネルギー技術の連携も加われば、あらゆる意味で人と地球に優しい本当の意味での「LOHAS TOWN」と呼べるのではないでしょうか。 |
このような街づくりを成功させるためには、少しずつ「実験」しながら精度を高めていくというプロセスが重要だと考えます。アメリカのバイオスフィアのように、実験場の中で実験的に暮らすというのではなく、実験的な視点で本当の住宅地を整備し、そこで行われるライフスタイルをフォローしながらプロジェクトにフィードバックしていく。
実はそのような試みは住宅地としてはほとんどなされていないのですが、図面や模型ではやはり新しい空間は理解しきれないので、実際の住宅地として立ち上げることが大切です。世の中には住宅展示場というものが結構ありますから、私は工夫次第では実験住宅地も可能ではないかと思っています。
また別のポイントとしては、街に住む人々が自分たちの住むエリアを考え、議論し、そして共同体を組織していくという流れがあります。最近ではコーポラティブ住宅が増えてきて、さらにコーポラティブ住宅地という取り組みも始まっているようです。ただ、住まい手の中でエゴのぶつけ合いが起こってしまったり、周辺との関係を全く作れなかったりとパブリックという意識が希薄な場合も多いようです。地域計画として見ると、やはり最初は行政や企業が連携して取り組んでいく必要があると思います。 |
例えば今、都市の抱える住宅問題に「木造住宅密集地」があります。これはよく考えると「老朽化した木造住宅」が「密集している」という2つの条件が重なっていることで問題化されているわけですが、問題を一度に解決しなくても、片方を解決するだけで十分ということもあります。
例えば、私は今アルミ構造住宅の普及プロジェクトに取り組んでいるのですが「アルミ造住宅密集地」というのはおそらくそんなに悪いものではありません。密集地は風通しが良くなく木造土台が腐り易いのですが、アルミは腐りません。
火事などの災害に対しては試験により安全性を確認していますし、何と言ってもアルミは軽量のため密集したところの建替でも人力で建設できるため非常に有利です。そうなると身体に馴染んだ「密集地のスケール」を残しながら、住宅地を再生していくことが可能になります。
一方「密集」の解決には、先程のエコタウンプランニングの仕組みを応用して、住宅を少し間引きけば状況は一気に改善します。間引いた住宅の行き先については、例えば近くの大規模集合住宅との提携により実現することは可能でしょう。全員が密集地に住み続けたいということにはならないでしょうから、そのような住宅のバーターもあり得ると思います。
今、この国の住宅地づくりは、本質的な問題に触れずに、乱暴な再生や、小手先の対応に終始しているとも言えます。現在起きている様々な住宅問題を解決することが未来の住宅設計に繋がるわけですから、とにかく問題を丁寧に読み解き、欲張らずにひとつひとつ順に解決していく姿勢が「LOHAS」的な街づくりに繋がるのではないでしょうか。 |
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| 都市の高密度化、豊かさの最小限、住まいのメリハリ、3つのエリアスケール「S,M,L」、コーポラティブ住宅地、欲張らずひとつひとつ解決 |
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| LOHASな住まいとは、まずは住まい手を中心に考える必要があります。しかし佐々木氏がおっしゃるような住まい手にとっての「豊かさの最小限」を基準に考えた住宅はほとんどないのではないでしょうか。個人の豊かさの最小限を基準にすれば、それがS,M,Lのエリアスケールで連続しているため実は都市全体でゆとりを持った暮らしが実現できる。LOHASな暮らしには、このような本質的な視点が大切なのではないでしょうか。 |
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