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ローハスインタビュー

Vol.08 [2006年2月13日更新]
望月 久美子 氏 プロフィール
株式会社東急住生活研究所 所長
住文化研究協議会 企画委員会 委員長
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自然を感じ取る、体験する、その現場としての家

私は子供達には生命力に満ち溢れた日々を送って欲しいと思いますが、具体的に住まいに何が必要かといいますとそれは自然の体験だと思っています。本物の動植物と触れ合う経験です。私達大人にとっては過去に経験していて常識であっても、子供達は未体験で本当に知らない、わからないということが多いのです。

信じられないかもしれませんが、例えば野菜のナスは1、2日ですぐ作れるようなものではないとか、猫はぬいぐるみと違って温かいとか、そういうあたり前のことを知らない子供がいるのですよ。自分の目の前にある野菜は誰かが手間をかけて作ったもの、猫は人と同じ生きているもの、ということを人として理解して欲しい。そのためにも、住まいは自然を体験させ、生命の繋がりを体験させてあげられるような場であることが重要だと思います。

テクノロジーを否定するわけではありません。ただ住まいの本質をもう一ひねりして、子供のためにもわざと手間のかかる部分を残しておくことも必要なのではないでしょうか。


住まいを「暮らしの道具」として使いこなせる文化が欲しい

望月 久美子 氏
住まいというものは家族が暮らす場なのですが、これは1軒だけで成り立っているわけではなくちゃんと地域の中の一部分として考えることも重要だと思います。家の内側は明るい豊かな家庭が存在するのに、外側に向かっては壁をつくってしまう。都市型の住まいではそうなりがちですが、コミュニティに対する拒絶ですよね。

外へ開くといいこともあるけれど、ご近所付き合いとか嫌なことがある、だから閉めてしまって家族のことを中心に考えておけばいいやというのがこれまでの流れでした。でもこれも子供にとってはマイナスの面がありますよね。学校や家族だけでは経験できない、近所のおじいちゃん、おばあちゃんとのおつき合いなどを経験することができないのですから。

昔の共同体ほどでなくてもいいですから、子育ては街や地域で見守りながらというのが望ましいと思います。そういう場をつくってあげることで、子供達は元気に育って、溢れんばかりの生命力を見せてくれると思いますよ。

安全で快適に暮らすための設備というものは、こころとからだに豊かな暮らしを提供してくれるものとは限りません。逆に住まいの空間を住まい手が道具として使うことによって、本当に豊かな暮らしをつくったり、修正したりできるようになるのです。子供のためにこれを買う、あれを買う、と行動するのではなく、家が持つチカラをうまく活用していくことがLOHASな暮らしに繋がるのではないでしょうか。

本日のキーワード
子供のこころと生命力、繋がりを体験する家、家の持つチカラを使いこなす

MakeLohas 編集部コメント
住むことに対して効率や便利さを追求しすぎた結果、生きていることを実感しなくなってしまった子供たち。これは空間の充実を追い求めることが目的であった時代の弊害とも言えます。住まい手が空間を「道具」として使いこなし、本来の「家が持つチカラ」を活用する。「生きている」という実感が「こころ」を生むという考え方、そして失ってしまったモノを取り戻すために空間という道具を使って何をすべきか。そのようなことを考えさせられるインタビューでした。
MakeLohas 編集部


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Contents
ローハスインタビュー
Vol.23:[2007/10/12]
山本 義春 氏
東京大学大学院教育学研究科
身体教育学講座教授 (教育生理学分野担当)
Vol.22:[2007/3/29]
片山 右京 氏
Team UKYO 代表 大阪産業大学客員教授
Vol.21:[2007/3/28]
岡安 雅人 氏
木造住宅設計所 萌芽舎一級建築士事務所 主宰
Vol.20:[2007/3/23]
小町 晴久 氏
小町建築アトリエ 代表
Vol.19:[2007/3/16]
中川 重年 氏
京都学園大学バイオ環境学部 教授
全国雑木林会議世話人
Vol.18:[2007/2/28]
鉾井 修一 氏
京都大学大学院
工学研究科 建築学専攻 教授
Vol.17:[2007/2/23]
甲斐 徹郎 氏
株式会社チームネット代表取締役
エコロジー住宅市民学校 主催
Vol.16:[2007/1/31]
涌井 雅之 氏
桐蔭横浜大学 特任教授
Vol.15:[2006/11/30]
米森 公彦 氏
一級建築士事務所
米森建築設計事務所 主宰
Vol.14:[2006/9/22]
安月 浩 氏、絹山 実 氏
ガス暖炉メーカー
株式会社ダンロックス
Vol.13:[2006/8/25]
丸谷 博男 氏
建築家
一級建築士事務所 (株)エーアンドエーセントラル 代表
Vol.12:[2006/6/29]
長房 直 氏、加瀬澤 文芳 氏、中安 博司 氏
住まいづくりフォーラム
Vol.11:[2006/6/23]
佐々木 龍郎 氏
建築家
株式会社佐々木設計事務所 代表取締役
Vol.10:[2006/3/30]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.09:[2006/3/17]
堀尾 正靭 氏
東京農工大学大学院
共生科学技術研究部 教授
Vol.08:[2006/2/13]
望月 久美子氏
株式会社東急住生活研究所 所長
住文化研究協議会 企画委員会 委員長
Vol.07:[2006/1/27]
金子 成彦 氏
東京大学大学院
工学系研究科機械工学専攻 教授
Vol.06:[2005/12/19]
坊垣 和明 氏
独立行政法人建築研究所
首席研究員
Vol.05:[2005/11/28]
駒城 素子 氏
お茶の水女子大学
生活科学部人間・環境科学科 教授
Vol.04:[2005/10/5]
山本 良一 氏
東京大学生産技術研究所 サステナブル材料・国際研究センター 教授
Vol.03:[2005/9/9]
秋元 孝之 氏
関東学院大学工学部建築学科 教授
Vol.02:[2005/8/19]
尾島 俊雄 氏
早稲田大学建築学科 教授
Vol.01:[2005/7/29]
小畑 晴治 氏
独立行政法人都市再生機構
都市住宅技術研究所 所長

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