[2006年2月13日更新]
望月 久美子 氏
株式会社東急住生活研究所 所長
住文化研究協議会 企画委員会 委員長
望月氏は
(株)東急住生活研究所
において代表取締役、所長を務めるとともに、
住文化研究協議会
の企画委員長もされています。一企業として、不動産・住生活に関するマーケティングに取り組みながらも、非営利の領域で一生活者として住まいについて考える。このような活動をされている望月氏のお話は、将来の日本の住まいのあるべき姿を考えるきっかけになるのではないでしょうか?
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LOHASな住まいを考えるにあたって 〜
住文化研究協議会
〜
LOHASな住まいのあり方について考えるのでしたら、私が参加している
住文化研究協議会
での取り組みのお話をしましょうか。
住文化研究協議会
は略して
住文協
と呼んだりするのですけれど、これは住宅メーカーや
デベロッパー
、建設会社、住宅設備メーカーなどが集まって、企業の枠を超えて日本の住文化を考えていきましょう、新たな住まいの文化の創造に向けて研究をしていきましょう、という非営利の組織です。
非営利だから企業活動に縛られることなく、本当にいい住まいについて考えていきやすいのです。これまでの活動はホームページ(
http://www.jyubunkyo.jp/index.html
)を見ていただければわかりやすいと思うのですが、例えばシンポジウムでは過去に次のようなテーマを扱ってきました。
・
2000年
「住まいとコミュニケーション」 ― あなたは誰と話してますか ―
・
2001年
私流を造る「都心の暮らし 田舎の暮らし」 ― 実践者に学ぶ その実際と選択の理由 ―
・
2003年
ニューフィフティーズ「自分探しをする大人たちへ」
― これから30年どんな生き方・住まい方をしますか? ―
・
2004年
「個の時代の住まいと暮らし」 ― 家族から仲間へ ―
・
2005年
「住まいとこころ」 ― 家はひとを幸せにできるか ―
そして今年は「住まいとこころ2」 親の思いが伝わる家、というタイトルで実施します。
■
「子どものこころ」と住まい
住文協
のシンポジウムですが、今回は特に「子どものこころ」に焦点をあて、便利で快適だけではない「こころに響く」住まいのあり方について考えることにしています。戦後から日本の住まいの供給者はとにかく新しく家を建てて、快適さや物理的な豊かさを追求してきたと言えます。
その結果確かに物理的には豊かになったと思うのです。でも本当に住まい手、特に子供にとって幸せな住まいになっているのかきちんと考えなおす必要があります。正直なところ、モノ的には豊かだけれどもそれは親の思いが自己満足的に実現しただけであって、子供にとっては単なる過保護、逆に子供はこころが貧しくなっているような気がします。子供はこころの飢餓を起こしているのではないでしょうか?
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「豊かな」住まいが子供の生命力を低下させる?
東京大学の哲学の野矢先生が「人間会議」の座談会の中で、非常に面白いことを話していらっしゃいました。最近の子供は自分たち大人も含め生きる力、湧き出でる泉のような「生命力」が低下している、と。これはこころの飢餓感に通ずると感じました。生命力に満ち溢れていれば、豊かなモノがなくても能天気に暮らせるし、明日はいいことあるよ、って前向きな考えを持てますよね。
モノだけが充実してそれが豊かな暮らしだと思っていると、結果的に生きるための力が低下して、とにかく生きよう!という意思が希薄になっていってしまう。家族のためにすばらしい住まいにしたはずなのに、子供が生命力を失っていくようではいけませんし、親が望むことではありませんよね。
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