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[2006年1月27日更新]
| 金子 成彦 氏 |
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東京大学大学院
工学系研究科機械工学専攻 教授 |
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金子先生は、未来型エネルギー供給システムとして期待される分散型エネルギーシステムの研究や、マイクロガスタービンの要素研究、遠隔制御システムに関する研究をされていらっしゃいます。生粋の技術屋、研究者とも言える金子先生ですがその考え方はLOHASに繋がるものがありそうです。 |
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分散型エネルギーシステムというのは、簡単に言うと比較的小規模な発電装置の設置場所を分散させ発電の方法を多様化させる仕組みのことです。
また従来の大規模発電所とこの分散型エネルギーシステムを最適に調和させたシステム全体のことをホロニック・エネルギーシステムと言ったりします。ホロニック・エネルギーシステムでは燃料電池のようなコージェネレーションシステム、廃棄物利用発電、太陽光や風力発電、電力貯蔵装置などが最適に配置されます。
そして、このシステムは環境に良いエネルギーを供給をするだけではなく、ライフスタイルにも影響を与える可能性を持っています。あたかも家庭菜園で取れた野菜をやりとりするように、お隣さんとエネルギーのやりとりをするようなことができたりします。そうすると人と人とのつながりが深まって、エコなコミュニティ、LOHASタウンができるかもしれませんよ。 |
研究開発の分野で、死の谷の話がありますよね。基礎研究で大きな成果が出ても、ビジネスとして成り立つかどうかの見極めがうまくなされずにそのまま埋もれ、死んでしまうというものです。これは分散型エネルギーシステムも同じであって、まずは死の谷を越えてしっかりと実用化しなくちゃいけない。
そしてその環境性などを充分に活かしていくには、次の段階として一般の生活者にもその良さを生活感覚の中で理解してもらう必要があるのです。言い換えれば生活者自身に新しい技術を活かしたライフスタイルが受け入れられるかどうか、その見極めをしてもらうわけですね。これは企業と生活者の間にある死の谷とも言えますね。ここも越えてようやく新しいものが広まっていくのですよ。 |
| ■企業と生活者の間、ライフスタイルの死の谷を越える! |
私は研究開発の死の谷を越えるために必要なのは、スペックを明確にすることだと思っています。開発した技術のスペックが明確であれば、その技術を活かしたロードマップが描きやすい。ビジネス化しやすくなるわけです。私はこれをスペックドリブンと呼んでいます。
一方で技術者や企業は、全く新しいスペック、イノベーションを探求するものです。しかしですね、生活者が求めるのは必ずしもイノベーションではないのです。欲しいのはスペックがわかっている何かの代替、オルタナティブなのですよ。今までAだったものが、代わりにBなった、とか。つまりライフスタイルに置き換えて考えてみると、生活者が求めるのは自分の生き方のロードマップを描きやすいオルタナティブ、選択肢だということになりますね。
人は自分が持っている時間とか、施設とか、お金とか、その限られた範囲の中で最適な解を探していく生き方をします。だから技術者もきちんと生活者の解のあり方を一緒になって探していけば、きっとライフスタイルの死の谷を越えられると思いますよ。 |
| ライフスタイルの変更でわかりやすい例がありますよね。これは私だけでなくて一般的にそうだと思うのですが、とても大きなものは結婚でしょう。それこそライフスタイルががらりと変わると思います。 |
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その中から一つをお話しましょうか。私は学生の頃から山が好きで、ワンダーフォーゲルをやっていました。しかし結婚前後で忙しくなって山に行けなくなってしまって、その代わりというのもなんですが、始めたのが家庭菜園です。もう20年以上ですね、それ以来ずっと四季折々の野菜を作っています。今は半年前に種を蒔いた大根が収穫できています。 |
やっぱり都会の暮らしをしていて、四季を感じることを忘れたくなかった。とは言っても田舎に土地を買って農業をするまではできない。都会でスローライフはちょっと無理があった。でも家庭菜園なら無理の無い範囲でちゃんと二十四節気を意識することが出来ますから。それともう一つ家庭菜園をしてみると感じられることがあってですね、それは資源の循環です。
ごみにするしかない落ち葉を土の中に埋めておくと、一年くらいすると土に返っていい腐葉土になってくれます。自然の循環を感じますよね。私は分散型エネルギーとしてバイオガスを利用したガスタービンやガスエンジンの制御技術を研究していますが、これも資源循環の一つの形だなあと実感できますよ。 |
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もちろんこの野菜はおいしいですよ。有機栽培ですから土の味というか、野菜からとれるだしがすごくおいしい。研究室の学生達とこの大根を使っておでんをしたりするのですが、コンビニのおでんと全然違っておいしいと驚いてくれます。またご近所さんにやっぱり野菜を作っている方がいらっしゃるので、苗や収穫物をやりとりすることが良くあります。これがまた楽しいですね。 |
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