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[2005年11月28日更新]
| 駒城 素子 氏 |
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お茶の水女子大学 生活科学部人間・環境科学科 教授 |
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衣服の汚れには、人の代謝物があります。皮脂や乳酸などですが、これが微生物に分解されて臭いがでてきて「ああ、汚れてきたな」となるわけです。そして代謝物の量は人が生活する環境によって大きく変わってきます。気候そのものが違うヨーロッパと日本ではかなり違います。また泥汚れや空気中のほこり、油など環境側からつく汚れもあります。
同じ日本であっても東京と空気のきれいな田舎では襟の汚れなどに差がでます。日本はさらに四季の変化もありますから、夏と冬で違った汚れ方がありますよね。もちろん大人と子供、男性女性の違いでも代謝量や、また生活由来の外界の汚れ量が異なります。ですからすべて同じ洗い方で洗濯をするというのはあまり適切ではないと言えますね。 |
洗濯は今や無意識の習慣、機械がやってくれる作業だとお話しましたが、私はそこをもう一度見つめなおす必要があると考えています。汚れ落ちの話もそうですが、水の使用量、エネルギーの使用量もちゃんと考えた方がいいのです。
誤解の無いようにお話しておきますが、無意識で良くなったこともあります。それは全自動洗濯機がでて、すすぎの水量が制御されたことです。
二槽式洗濯機だったころすすぎは10分間くらい水を流しっぱなしで行う人が多かったのですが、これがなくなって、言い換えれば、ためすすぎ3分を2回など組み込まれたプログラムに沿う以外できなくなって、水の使用量が減りました。本洗いをした後に脱水をしていればすすぎの水の量と時間は理論的にはもっと少なく、例えば“ためすすぎ1回”でも大丈夫なのです。
しかし私が言いたいのは、機械的に全部制御されてエコロジーになればいいというのは正解ではないのではないか、ということなのです。衣服の中で一番汚れやすいのはやっぱり襟とか袖口ですよね。一般的には他の部分はそれほど汚れないのですから、ここを重点的にきれいにすれば洗濯物の大部分がきれいになったといえます。
でもこの作業は全自動ではできない。平均的なレベルで全体がきれいになるようにできていますから。いくら機械が頑張ってもやっぱり人の目と丁寧な手作業にはかなわない部分もあるのです。もっともこれをいかに機械化できるかということも課題ですね。 |
全自動洗濯機のいいところはすすぎの水量が減ったことと、洗濯をする人の負担が軽くなったことですよね。私も楽ができるようになるのはいいことだと思います。ただ本当に全自動ではなくて、少しくらい人の工夫が入る余地があるといいと思うのです。例えば(酵素配合洗剤での)つけおき洗いやたたき洗いをしてひどい汚れを落としておく。つまりあらかじめ意識的に、洗おうとするものを人が操作して、そして残った汚れに見合った方法で全自動洗濯機が効果的に洗ってくれるといったような。
もちろんつけおき洗いやたたき洗いの効果をきちんと調べることも大事です。なぜ効果的に汚れが落ちるのか解明して、その結果を活かして本質的に良い製品を開発するとなれば一般の消費者が耳を傾けてくれるのではないでしょうか。
これにはいろいろな方々が協力していく必要がありますね。洗剤メーカーさん、洗濯機メーカーさん、私達のような大学の研究者、そして水温の制御も考えてエネルギー会社さんもいたほうが良いでしょう。皆でコラボレーションを図って、製品や情報を出していけばいつかは消費者の方々が気付いてくださると思います。そうすれば「物」への配慮と「環境」への配慮をあわせて「意識した洗濯」を行ってもらえるのではないでしょうか。お互いに協力していきましょうね。 |
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| 無意識の習慣、全自動の良し悪し、意識した洗濯 |
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