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[2005年9月9日更新]
| 秋元 孝之 氏 |
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関東学院大学工学部建築学科 教授 |
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ワークプレイス向けのアダプティブモデルを住宅の話にそのまま適用するには条件が多すぎて難しいとは思います。その一例として人間の順応性にはメンタルとフィジカルの2種類があります。
メンタルな順応とは、例えばこのまま空調を使っていくとお金が掛かるのでちょっと消そうかな、と心配することですね。フィジカルな順応とは、一週間とか、もう少し長い期間の「過去」の気候が身体に刷り込まれていて、その期間の気候と自然と比較してしまうということです。
例えば真冬に小春日和があればとても暖かいと感じますが、同じ温度、湿度の日が真夏にあったとするとこれは涼しい、あるいは寒いと感じてしまいます。ここで注意すべきは、順応が2種類あるということは、「過去こうだったから、今後もこんなはずだろう」という期待値も2種類あるということです。 |
住宅の空調で、全館空調というものがあります。これはヒートショックがなくなるという面ではとても有効だと思います。しかしその反面、今までよりずっと広い面積を空調しなければならないので、エネルギーをたくさん使ってしまう危険性をはらんでいます。もちろん断熱性、気密性、自然エネルギーの利用などである程度抑えることはできると思います。
研究者の使命は省エネしつつ全館空調の効用も得る、両者のバランスを考えて提案することだと思います。ただし闇雲に提案するのではなくて、意味があって、こういう効果があるから提案するのですよ、ということをきちんと伝えることが重要です。さきほど住宅では居住者もライフスタイルも多種多様で、という話をしましたが、これに対応するように多くの選択肢を示すことが大切だと思っています。
さらにその提案による効用や省エネの効果の見せ方も同時に考えて行きたいですね。例えば省エネナビと呼ばれているようなエネルギーの使用状況やその金額などを表示してくれる画面システムがあります。ところが一世帯での省エネ量は実は小さいのです。これでは「自分ひとりがやってもあんまり効果ないなあ」って思われてしまうかもしれない。がっかりするから期待を満足させられない。それなら自分と同じ省エネを日本全国、全員でやった場合、つまり全体でみるとどういう効果があるのか、ということを具体的に見せてしまう。
例えば「キャンドルナイト」や「東京タワーの照明を消す」というイベント的なものを日ごろの生活の中で見せてしまうわけです。個人が行うほんの少しの省エネも積み重ねればこんなに効果があると思ってもらうことが必要なのです。「無理をしない」で、ほんのちょっとの努力でいいのです、それでもちゃんと快適になるような選択肢もいっぱい用意しましたから、できることからどうぞ!と。こうありたいですね。
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| アダプティブモデル、期待値、多種多様な選択肢の提案 |
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