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ローハス対談
コーディネーター:柏木 博 氏 (武蔵野美術大学教授)
2005年1月31日更新
Vol.03
田辺新一氏(早稲田大学教授)に聞く プロフィール
そこは広く議論すべきところでしょうね。
本当にメンテナンスフリーがいいのかどうか。(5/5)
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住宅とエネルギー

柏木 住宅におけるエネルギーについてはどうお考えでしょうか?

田辺 住宅におけるエネルギー消費量というのは非常に大きいです。日本の全消費量の1/6ぐらいを住宅で占めています。京都議定書の発効もありますし、まじめに考えなければいけないですよね。
省エネの設備という面では個々の機器の技術開発は進んでいます。1台1台を見ると、相当省エネ機器になっています。ところが総量での消費量が減らない。これは機器を複数台使っているためです。例えばエアコンを2台、3台と使ったりしますよね。こういう例は他にもたくさんあります。

柏木 そうすると住まい手のライフスタイルが相当影響するということですね。

田辺 影響しますね。
なおエネルギー消費量は、世帯人数や住宅面積よりも、世帯年収と最も相関関係にあります。

柏木 へぇー。どのような相関関係ですか。

田辺 きれいな直線的な関係ですね。世帯の年収と、電気代、ガス代はきれいな直線関係にあるのです。たくさん稼いでいる人はたくさん使っています。光熱費が一家の携帯電話料金より安ければあたり前ともいえますね。無責任なようですが、究極の対策はエネルギーの単価を高くして節約させるしかないと思っています。個人のライフスタイルを強制的に規制されるのは嫌ですよね。一生懸命働いて稼いでいるのだから、自由に生活したいという気持ちがあります。ジレンマですね。

柏木 おそらく省エネ生活というのはとてもきつく感じられると思うのですが、ここで考え方を変えて、省エネ生活はかっこいい!というライフスタイルに持っていけるといいですよね。省エネは豊かでかっこいい、と。

田辺 それがローハスというライフスタイルですかね。

柏木 それがローハスだと思いますよ。

そういえば最近オール電化住宅というものがいろいろなところで話題に上っていますね。多様なライフスタイルを単一エネルギーで支えることが可能か?という問題になるかと思うのですがこの点はどうお考えでしょうか。

田辺 そうですね。ライフスタイルは個人の考え方、思想の話ですから全電化住宅も良いと思います。ただ、オール電化にすればすぐに夢の生活になる、ということではないと思います。我々が住宅の中にいて、全てオートマティックに制御できることは便利かも知れません。しかし、ハードが生活を豊かにするということではなく、住んでいる人間の行動が生活を豊かにするのではないかと思います。オール電化でもローハスに近い考え方はできるでしょう。つまりシステムが規定するものではないと思います。どちらがいいということは無いと思いますよ。

柏木 なるほど。
私はメンタルな観点からですが、エネルギーの形態を1本化するということに対して豊かではない、という印象を持っています。ですから薪も使うし、炭も使うし、電気もガスも使う。東京で生活しているときにはあまり無いかもしれませんが、ちょっとした山の中で生活するときにはエネルギーの一本化はダメなんですよね。落雷などの影響で電気が使えなくなったらどうにもできない、ということがあまりいい感じがしません。1つがダメでも次の手段、設備がある、という事実が心の安心感になるわけです。

田辺 なるほど。その見方をすれば、1本化することがいい、ということは確かに疑問符がつきますね。

柏木 やっぱりエネルギーの形態は多様であるほうが安心だな、と。個人的な感覚ですけれど。

田辺 今は少し落ち着きましたが、日本でも最近石油や原油のコストが非常に上がりましたよね。それでも何とか大丈夫、というのは日本がエネルギーに関して危機分散してきたからでしょうね。

柏木 そうでしょうね。70年代のオイルショックの時は、石油にしがみついていた気がしますよね。

田辺 柏木先生がおっしゃるようにエネルギーも設備も多様化であれば、新しいライフスタイルが生まれる土壌になり得るでしょうね。

田辺氏・柏木氏
柏木 それではお忙しい中本日はどうもありがとうございました。

田辺 いろいろとお話できて非常に楽しい対談でした。どうもありがとうございました。

対談日:2005年1月14日
対談日:都内某会議室にて

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ローハス対談
柏木博

1946年生まれ。
武蔵野美術大学卒業。
現在同校教授。
デザイン評論家。
専攻は近代デザイン史。

Vol.03:[2005/01/31]
そこは広く議論すべきところでしょうね。本当にメンテナンスフリーがいいのかどうか。
Vol.02:[2004/12/24]
早く省エネ志向を捨てて、『創エネ志向』で行きたいですね。
Vol.01:[2004/12/01]
生活と関わらないデザインは、もうデザインとしてだめですよね。

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