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ローハス対談
コーディネーター:柏木 博 氏 (武蔵野美術大学教授)
2005年1月31日更新
Vol.03
田辺新一氏(早稲田大学教授)に聞く プロフィール
そこは広く議論すべきところでしょうね。
本当にメンテナンスフリーがいいのかどうか。(4/5)
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建築学視点のLOHASな住まい

柏木 それでは田辺先生がお考えになる日本人のLOHASな住まいとはどういうものなのでしょうか?

田辺 そうですね。システムとして考えれば、スケルトンインフィル(※以下SI)住宅はとても良いシステムの一つだと思います。

SI住宅を拝見すると、まだ内装部材、特に天井や壁の部材が仮設的だなと感じることがあります。オフィスだと思えばいいのかもしれませんが、住むのであれば仮設の雰囲気が残っていてはいけないと思います。きっとこういう部分が進化すれば、SI化も進んでいくと思います。廃棄物の問題にも対応しやすい住宅です。

それと住まいに関して重要なのはきちんとメンテナンスをすることですね。住宅の寿命に関する調査結果にもはっきりと出ています。メンテナンスをしている家は長持ちしますね。永く住まうことが可能になります。

※スケルトンインフィル住宅…スケルトン(建物の躯体など)とインフィル(内装など)をわけて構築する住宅。インフィル側は住まい手が自由に設計できるため、スケルトン側が強固であれば持続可能な住宅になり得る。

柏木 一般的に道具は皆メンテナンス次第ですよね。メンテナンスフリーというものもありますが、これはあまり良くないと思います。というのも愛着が持てないからです。家であれば、家に対する住み手の気持ちがきちんと出せるようでなければ、結果的に長持ちしないと思いますよ。

田辺 おっしゃるとおりですね。
シックハウスや材料のお話に触れたいと思います。私は子供の頃古材を集めてつくった家に住んでいました。縁側に出てみると半ズボンから出ていた太腿が板の隙間に挟まれてしまったことや、歩くと床がぎしぎし鳴るので誰か居るのがわかる、とかいろいろな思い出があります。

しかし、今はフローリングの床で少しでもぎしぎし音がなるとすぐクレームです。同じように床板の間にちょっとでも隙間があるとこれはおかしい!となります。そこで最近では鳴らない床になってきたのですが、実はあれは接着材のおかげです。床板を接着剤のクッションでぴったりくっつけています。それが一般的に許容されているし、床板は反りも狂いもない工業製品です。

テレビや冷蔵庫と同じように扱われています。これはリンゴやみかんをワックスでピカピカに磨いていたことに近い話だと思います。最近だんだん皆が気付いてきて、ワックスで磨かれたリンゴや、1ヶ月腐らないグレープフルーツというのが本当にいいのか?という疑問を持ってきましたよね。
ですから多分、住宅についても気付く時が来ると思います。時代の先端を行く建築家などはすでにこの点に気付がついているのではないかと思います。

柏木 私が家をつくったときに、設計の方に材料は古材がいいなあとお願いしたことがありました。まるで昔からここにあったようにつくってほしい、と。そうするとメンテナンスが大変なのですが、そうしたかったのです。

田辺 いいですね。しかし設計者や施工者は困ったでしょうね(笑)。そういうことを広く議論すべきでしょうね。


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Contents
ローハス対談
柏木博

1946年生まれ。
武蔵野美術大学卒業。
現在同校教授。
デザイン評論家。
専攻は近代デザイン史。

Vol.03:[2005/01/31]
そこは広く議論すべきところでしょうね。本当にメンテナンスフリーがいいのかどうか。
Vol.02:[2004/12/24]
早く省エネ志向を捨てて、『創エネ志向』で行きたいですね。
Vol.01:[2004/12/01]
生活と関わらないデザインは、もうデザインとしてだめですよね。

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