| 柏木 |
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住宅内の空気環境や光環境といいますと、我々の生活の快適、心地よさと深く関わっていますよね。個体差があるかとは思うのですが、心地のいい室内の温度は例えば何℃になるのですか?
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| 田辺 |
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それは実は難しい問題なのです。それにお答えするにはまず快適の定義をしなければなりません。温熱環境を例に取ると普通我々が「快適」と呼ぶものは、暖房したり、冷房したり、「不快がない」状態を指します。積極的に快適とは区別して考えるのです。
では、暑くも寒くもない状態イコール「不快がない」状態かというとそうではありません。局部不快感と呼んでいますが、足元は涼しいけれど頭だけ暑いといったように上下に温度分布があると不快に感じますし、冬であればエアコン暖房の風が直接当たると不快になります。逆に床暖房ですと嫌な気流が少ないので快適です。
また、冷たい窓の近くにいますと、冷放射によって体の一部に寒さを感じます。同様に床面が熱すぎたり冷たすぎても駄目です。
これらすべてがなくなって初めて、不快がない状態の快適になるのです。
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| 柏木 |
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複雑ですね。
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| 田辺 |
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ええ。
人間が本当に「気持ちがいい」、と感じるのは実は不快なところから快適なところに変わる瞬間にあるのですよ。すごく寒い日に温泉に入るとか、そういう瞬間ですね。
ではこういった刺激的な感覚を繰り返せば良いのかといいますと、そうではありません。快適、快感を繰り返すとそれはまた不快になってしまうのです。
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| 柏木 |
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なるほど。そうすると「快適」とはこれだ、と決めにくいのですね。
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| 田辺 |
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ええ。ですから、不快な状態から快適な状態に、「自ら選択して移れる状態にあること」が「快適」だと言えます。そのため私は空調してある一定温度に制御した状態が快適だとは考えていません。
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| 柏木 |
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それはよくわかりますね。
あらゆる事柄というものが自分の手の内にあるということは快適、心地いいと感じますね。その自由の度合いがメンタルな部分で心地よさに効いていますね。
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