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| 初回特別編 コーディネーター柏木博氏に聞く |
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| 生活と関わらないデザインは、もうデザインとしてだめですよね。(4/5) |
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インタビュアー:東京ガス株式会社 都市生活研究所 所長 早川美穂さん 
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| 早川 |
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炎が気持ちいいのはどうしてなんでしょうか。
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| 柏木 |
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そうですねえ。エネルギーがそこにある、っていう実体感がありますよね。炎、なまの火、っていうのは。
基本的にエネルギーっていうのはプリミティブな(原始的な、素朴な)形では熱と明かりですよね。だからストーブ、暖炉、っていうのはやっぱり明かりでもあるわけですよ。
今ここにある暖炉もふたを開けておけばほの明るく、ふわあ、ってこう、照らされるわけですよ。それは薪から石炭に変わっても換わらないし、それがガスになっても熱と明かりと両方になっているでしょう。明かりと熱、暖かさ、っていうのはいつもセットになって僕らの生活のなかに入ってきていたので、その実感って言うのは僕らのプリミティブな感覚の中にありますよ。
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| 早川 |
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なるほど。暖炉に憧れる人もたくさんいますし、お店などにキャンドルの明かりがあれば落ち着けるなあ、と共感する人もたくさんいると思います。人間だったら自然に受け入れられるものなんですかねえ。
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| 柏木 |
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そうだと思いますよ。
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| 早川 |
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開放型のものは室内空気を汚染するとか、危険だからとかありますけれど、逆にそこに対して炎の存在は心を豊かにすることができるでしょう、と伝えて行きたいですけれど、難しいんでしょうか。
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| 柏木 |
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ですからその扱いが問題なんですね。
常に、部屋の中の空気が汚れれば交換、換気しなければならないというのはしょうがないです。つまりそういうものを扱っていくということは面倒くさいことなんですね。
面倒くさいんですけれど、その面倒くさいということを愉しめるかどうか、という価値観。さっきの話に戻るのですけど。僕は仕事をするときにCDをかけるんです。
それはCDが便利だから。面倒を見なくても終われば勝手に終わってくれるし、長時間かけっぱなしでも大丈夫だし。
だけれど古いブルースの黒いプラスティックのディスクをかけると、こうぼそって針をおいて、せいぜい15分経ったらひっくり返さなければいけないです。
それでまた15分経ったらかけかえる。面倒を見なければならないんですね。この面倒を見るということはすごく大変なのです。だけれどこの面倒を見ることが愉しい。これも同じことだと思います。
そういう気持ちよさの記憶だとか、今日見たものの中でこれはすごく良かった、愉しかったとかそういうことを記憶していく作業というのが生き方として非常に重要です。
その日その日あわただしく生きているから、皆さんそのことを忘れてしまいます。散歩していてもああ、この木が気持ちいいなあとかですね、そういうのを日常的に味わいながら生きていくのがいいのじゃないかと思うのです。
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1946年生まれ。
武蔵野美術大学卒業。
現在同校教授。
デザイン評論家。
専攻は近代デザイン史。
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