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もっと深い理解のために 〜CO2排出量と削減量〜
排出量と削減量
排出量・・・エネルギーを使用したときに発生するCO2の量
削減量・・・エネルギー使用量を削減(省エネ)したときに減らせるCO
2の量

CO2の排出量と削減量は上のように分けて考えます。これは排出と削減の総量を計算するときに使う、基準となる係数が異なるためです。この係数をCO2排出(削減)原単位あるいはCO2排出(削減)係数のように呼びます。

これらは次の式で表せます。

・発生するCO2の量[kg]= CO2排出係数[kg- CO2/MJ]×使用したエネルギー量[MJ]
・削減できたCO
2の量[kg]=CO2削減係数[kg- CO2/MJ]×省エネしたエネルギー量[MJ]

ここで[J]はエネルギー量を表す単位で、「ジュール」と読みます。他にも同じエネルギーの単位として、電力でよく使われる[Wh]「ワットアワー」や、日常よく見かける[cal]「カロリー」などがあり、次のような関係があります。(小数点第四位以下四捨五入)
1[MJ]=0.278[kWh]=239[kcal] (k:キロ、1×10^3、M:メガ、1×10^6)

この係数が使うエネルギーの種類別にきちんと明らかであれば、それぞれ発生するCO
2の量、削減できたCO2の量が簡単に計算できます。


CO2排出係数
まずCO2排出係数について説明します。
私達にとってもっとも身近なエネルギーは、化石燃料を燃やした熱エネルギーと、発電して得られる電力エネルギーです。こちらで学んだように、電力を使用してもCO
2は排出されるため、きちんと分けて考える必要があります。

【化石燃料(石炭、石油、天然ガス)を燃やす場合】
燃料の組成(炭素含有量)が明らかですから、燃料別にCO2排出係数が決まります。燃料別の差がどのくらいあるのかを説明するのが左の図です。これは石炭を100とした場合のCO2排出量を表しています。燃料によって同じエネルギーを取り出した場合のCO2排出量に大きな違いがあり、石炭や石油に比べて天然ガスはCO2排出量がとても小さいことがわかります。
燃料の種類によるCO2排出量の違い(石炭を100とした場合。単位発熱量あたり)

【発電する場合】
その発電方式を考慮した排出係数になります。火力発電所は化石燃料を燃やしているためCO2排出量は燃料の組成によって単純に求められます。これを全火力平均CO2排出係数といいます。
一方で発電所には他にも水力、原子力などがありますが、電気を使うときにこれらの違いを意識することはありませんし、言い方を換えれば電気を使い分けることは出来ません。したがってこの場合、CO
2排出量全火力平均係数に水力、原子力などの値を忘れずに加味することが必要です。これを全電力平均CO2排出係数と呼び、全火力平均の係数より小さい値になります。

電力の排出係数には、例えば次のような値がよく用いられます。
全火力平均CO2排出係数・・・0.69kg- CO2/kWh
全電源平均CO
2排出係数・・・0.36kg- CO2/kWh
出典(中央環境審議会地球環境部会 目標達成シナリオ小委員会 中間取りまとめ(2001年))


CO2削減係数
【化石燃料の使用量を減らした場合】
この場合はCO2排出係数の考え方と同じです。削減係数は燃料の炭素含有量で決まります。

【使用電力量を削減(電力面で省エネ)した場合】
全電源平均CO2排出係数を使用すれば正しいように見えますが、実は異なります。
順に説明しますので、まずは次の発電所の運転外略図を参照してください。

発電所の運転外略図

原子力発電はその性質上、定期点検をする期間以外はほぼ一定の出力で発電を続けます。また原子力発電所の設置には立地条件などの課題があり、設置増加は進みにくい現状があります。水力発電は負荷追従性に優れているので短期的には需要変動(私たちの「電気を使う、使わない」のニーズ)に対応しますが、利用できる水を最大限用いて発電を行うため、年間の発電量は降水量に左右されます。
つまり今のところ火力発電だけが必要電力量に合わせて自由に発電量を変えることができるシステムであることがわかります。言い換えれば私達の省エネ努力により電気の使用量を減らした場合、火力発電所の稼動を減らすことに直結し、CO
2の発生量もここから削減できるようになります。原子力発電と水力発電によるCO2排出量がほぼ0であるとすると、この考え方は下の図に示すようになります。


このように需要家の努力による省電力のCO2削減効果は全電力平均より全火力平均を使ったほうがより正確な値と言えるわけです。

※電力面で省エネした場合の、より厳密な削減係数
全火力平均のほうが全電力平均より正確と言っても現実的には火力発電所にも種類があり、石油、石炭、LNGの火力発電のすべてが「平均的に」省電力に対応しているわけではありません。

より厳密にいえば、省エネによって変動する電源(マージナル電源)をきちんと把握し、この電源に対応した係数(マージナル電源CO2係数)を求める必要があります。今はまだこの値が定まっていないので、私たちは全火力平均CO2係数で削減量を計算しています。


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